不惜身命 但惜身命

私の愛読書『月刊致知5月号』に、いい記事がありましたので、ご紹介します。

京セラの創業者、稲盛和夫氏は経営者にとって一番大事なものは「誰にも負けない努力をする」ことだと若い経営者に説き続けた。

「企業経営をしていく中で一番大事なのは、誰にも負けない努力をすることです。また幸せな人生、素晴らしい人生を生きるためにも、毎日真剣に働くことが第一条件です。このことを除いて経営の成功も人生の成功もあり得ないと思います。一生懸命に働くことを忌み嫌い少しでも楽をしようと思うならば、企業経営はもちろんのこと、素晴らしい人生を得ることもできません」なぜ一生懸命に働くことを強調するのか。それは、

「この自然界はすべて一生懸命に生きることが前提になっているからです。少しお金ができたり会社がうまくいくようになると楽をしようと考えるのは、我われ人間だけなのです。自然界に生きているすべての動植物は必死に、一生懸命に生きています。そういう現象を見ても毎日毎日を真剣に一生懸命に働くということが人間にとっても最低限必要なことではないかと思うのです」

この度、WBCの戦いで名将栗山英樹監督率いる侍ジャパンは三度目の世界一に輝き、日本中を沸かせた。選手たちは皆めざましい活躍をしたが、中でも衆目を集めたのは大谷翔平。数年前、その大谷にイチローがアドバイスをしていた言葉がある。

「無理がきく間は無理をしたほうがいい」

無理をすることは大事だ。無理をするから実力が養われる。しかし、無理がたたってへたり込んでしまうような無理はしないほうがいい。そのバランスを自分で見極め、無理をすることが向上に繋がる。イチローの言っていることは不惜身命、但惜身命と同義語である。イチローもまた、この二つの言葉の体現者と窺い知ることができる。

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