特攻隊隊員上原良司さんの遺書

私は明確に言えば、自由主義に憧れていました。日本が真に永久に続くためには自由主義が必要であると思ったからです。これは、馬鹿な事に聞えるかもしれません。それは現在、日本が全体主義的な気分に包まれているからです。

しかし、真に大きな眼を開き、人間の本性を考えた時、自由主義こそ合理的なる主義だと思います。戦争において勝敗を見んとすれば、その国の主義を見れば、事前に於て判明すると思います。人間の本性に合った自然な主義を持った国の勝戦は、火を見るより明ら かであると思います。

日本を昔日の大英帝国の如くせんとする、私の理想は空しく敗れました。この上はただ、日本の自由、独立のため、喜んで、命を捧げます。